第2章 フーシャ村の出会い
寄せた波がばしゃりと顔にかかった。
変なところに水が入って、私は大きく咳き込んだ。
「アヤッ!!!!」
すぐさま走って来たエースが慌てて私を抱き起こした。
砂と涙で私の顔はぐちゃぐちゃだ。きっとすごくみっともない顔をしてる。
「お荷物なら、置いてってよ!!私は、私は・・・。」
ぼろぼろと泣きながら、この人たちに何を伝えたいのかもよくわからなくなった。
おとうさまと、おかあさまに会いたい。お城に帰りたい!!
「荷物だなんて思ってるわけねェだろ!!!」
いつの間にか近くに来ていたサボが凄まじい大声で私を怒鳴った。
私を支えていたエースがびっくりした様子で飛びのいた。
「お前は俺らの“妹”だろ!!血は繋ってねェけど・・・家族だ!!だれが勝手に置いて帰るか!!!」
普段優しいサボが、すごい剣幕で怒っている。
かぞく・・・。私のことを、そんな風に思っていてくれたの?
「あ、あ~~・・・俺ら、危なっかしい所も含めてお前のこと、か、かわいい妹だと思ってるし!」
エースが照れくさそうに笑う。
「アヤ~~~~!!もっと俺らに甘えていいんだぞォ~~~!!」
駆け寄って来たルフィが勢いよく私に抱き着いた。
その重みでみんな揃って砂浜へ倒れこむ。
「ぶわぁッ!!ぺぺっ!何すんだルフィ!!びっしょびしょになっちゃったじゃねェか!!」
「ははは!甘えてんのはルフィの方だなァ!」
エースもサボもいつの間にか笑顔になり、皆揃って泥だらけの顔で笑いあった。
この人たちとなら、本当に家族になれるのかもしれない。
そんな事を思いながら、アヤは暖かい気持ちに包まれた。