第2章 フーシャ村の出会い
エース達と海辺に遊びに来た昼下がりのこと。
ルフィが大はしゃぎで水遊びをする中、あまり肌の強くない私は樹の木陰で涼んでいた。
両脇にはエースとサボが腰かけている。
「ねぇ、エースとサボは、ルフィと遊んでこないの?」
私が一緒にいる時は、決まってエースとサボは近くにいる。
女の子扱いされる事が、私はたまらなく嫌だった。
エースとサボは目を見合わせると、ばつが悪そうにエースが言った。
「お前泳げねーし、放っといたら危ねェだろ。」
エースの言葉に、私はムツとした。
拳を握りしめて立ち上がり、海へ向かって駆け出す。
私だってダダンさんのところでみんなと暮らしたかった。
でも、私が元王族だからって、マキノさんのお家に・・・。
腫れ物扱いも、お守りもうんざり!
“みんなと同じように扱って欲しいのに!”
「あ、おい!アヤ!」
サボの静止を無視して、私は海へまっすぐ走った。
目頭が熱くなる。ルフィ達と仲良くなれたのはうれしいけれど、やっぱり私はみんなと“同じ”にはなれない。
「私、大丈夫だもん!ひとりでも、平気・・・っ!」
日差しが焼けるように熱い。気づけば頭に被っていた大きなつばの帽子もどこかに落としていた。
悔しくて目頭が熱くなる。彼らの制止を無視して海に足を踏み入れた。
途端にがくり、と膝が折れた。
なに、これ、力が抜ける・・・。
海水が少し足元に浸かっただけで、私はへにゃりとその場に座り込んだ。ガープさんに口を酸っぱくして海に入っちゃいけないと言われた事を思い出しながら、成すすべも無く波打ち際に倒れこむ。