第1章 1
「お客様、こちらのドリンクはいかがですか?」
ウエイターの持つトレーの上にはサファイアのように青く輝くドリンク乗っていた。おそらくカクテルだろう。
「……いただくわ」
私はそのドリンクを飲み干すと、化粧室へ足を向けた。一瞬ふらついたのはきっと気のせいだろう。
化粧室を出て会場に戻ろうとすると、ひとつの部屋の前で誰かに口を抑えられた。
「…………っ…………」
抵抗してもどうすることも出来ず一番近い部屋に連れ込まれる。
まずい…………!
どうにかして逃げるため後ろの人間を蹴ろうと足を上げると
「しーっ」
と上から声が聞こえた。この声は……
「黒羽!」
そこに居たのはキッドの格好をした黒羽だった。
「なんでこのパーティに……」
「ちょっと用事があってな」
「用事って……」
「それより」
「?」
黒羽は私をじっと見つめた。
「……何よ…」
何も言わずに距離を詰めてくる黒羽が少し怖くて私は後ろに下がった。すると
トン
といつかのように膝裏に何かがあったと思ったら肩を押されてベッドに押し倒された。
「ちょ、黒羽…………んっ…………」
何が起きたか分からなかった、黒羽の名前を呼んだ瞬間私の唇は黒羽の唇で塞がれてしまった。
「ん………ふっ………んん」
「…………あの時は呼んでたのに」
「……んっ…………何を…………んんっ……」
どんどん深くなっていくキスに力が抜けていくそれを見た黒羽はドレスの裾をめくり内腿を撫でた。
「…………!?…………」
なに…………これ、この間とは比べ物にならないくらい…………
体が驚くほど敏感になっている。そしてもうひとつ驚いたのが黒羽が驚いていることだった。
「お前…………そんなに俺されるの気持ちいの?」
「あっ………ちがっ…………んっ……あっ」
「違うねぇ?」
そう言いながら黒羽の手は少しずつ上に上がってきた。
「や…ぁ………………黒羽……」
「名前で呼べよ」
「んっ、呼んでる……じゃ……ぁ」
「下の名前、ほらさわないでいてやるから」
そう言うと快斗は手を止めて私を見る。
「………かいと………んっ」
名前を呼んだ瞬間また深くキスをされ頭がくらくらした。そしてまた快斗は私の体を熱くさせる。