第1章 1
「それで、どんなメールが来たんだ?」
私は快斗にメールを見せる。
「近々会えるって…どういう意味だ?」
「分からない。ただこれだけが来て私も混乱してるの。どこかに来いとも言われてないし…」
「…」
「快斗?」
「お前この間みたいなパーティはよくあるのか?」
「この時期はよくあるよ、私は毎年強制参加なの」
「次は?」
「次は…明日だけど、まさか…」
「そのまさかだろうな。恐らく明日あいつがパーティに来るんだろう」
「…さすがに欠席はできないんだよね」
「俺も行く」
「え?」
「俺がお前の同伴者として行く」
「それは構わないけど…でも快斗も危なくなっちゃう」
危ない連中を雇う男だもの…快斗に何かあったらどうしよう
「お前一人で危ないところに行かせるわけないだろ」
「…快斗」
「どうするか一緒に考えよう」
「うん…」
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パーティ当日
私は快斗とパーティ会場にいた。
「すげぇ人だな」
「ごめんね、挨拶回りに付き合わせちゃって」
「いいよ。お前は俺のだって示せるしな」
「バカ…」
快斗の言葉にそっぽを向くと、会場に探を見つけた。探も私に気が付くと、こちらに近づいて来る。
「ゆい…」
「探…、ごめんね昨日は…何も言わずに…」
「それはいいけど…何してたの?」
探の言葉にソワソワしていると、快斗が私の肩を抱いた。
「デートしてたんだよ」
「デート?もしかして君たちは…」
「あぁ、付き合ってる」
「…」
快斗の言葉に探が固まっている。
「えっと…探?大丈夫?」
「あっ、あぁ…大丈夫。おめでとうゆい」
「ありがとう」
自然と笑みがこぼれ、探を見つめると、探は少し寂しそうな顔をして私たちの元を離れていった。
探がいなくなると、快斗が私の頭を撫でる。
「どうしたの?」
「いや、ただ触りたくなって」
「なにそれ」
私たちがふっと笑い合うと、会場の照明が消えた。そして、ステージに司会の人が出てきてマイクのノイズがスピーカーから流れる。
「皆さま、本日はお越しいただきありがとうございます。本日の主催者様よりご挨拶をさせていただきます。花咲黒斗様よろしくお願いします」