第2章 【つ】続きはベッドの上で★
連日残業続きで心身共に疲弊していたみょうじは漸く激務から解放され、頑張った自分へのご褒美と称し、普段なら決して立ち寄らないバーへと足を運んだ。気持ちよくお酒を飲んでいると、たまたまみょうじの座るカウンター席へ爆豪がやって来たのが事のキッカケだった。お酒の力が無ければ決して話し掛ける事は無かっただろう。中学生のままの爆豪であればモブと一蹴りされそのまま一緒にグラスを交わす事は無かっただろうが、昔よりは幾分大人になった爆豪はみょうじとそのまま時間を共にした。
「私、中学の時、爆豪くんの事ちょっといいなって思ってたんだよね。」
ヒーロー向けの派手な個性に加え、喧嘩も強く、容姿も整っていた。そんな爆豪に密かに想いを寄せる女の子も少なくなく、自分もそのうちの一人だったと本人を目の前に恥ずかしげも無く語れたのは随分と酒に酔っていたせいもあるだろう。
その後、どうしてそうなったか、気が付けば二人はホテルにいて、本能のままに互いを求めあった。中学時代の二人からすれば、その数年後、ただの同級生だった相手と一夜を共にするなんて夢にも思わなかっただろう。
翌朝目覚めると、既に爆豪の姿は無く、アルコールも抜け、冷静になるととんでもない事をしでかしたとみょうじは頭を抱えたが、この先また爆豪と会う機会も無いだろうと、一夜の過ちと自己完結したが、事はそれで終わらなかった。
いつの間にか登録された爆豪の携帯から連絡があり、流されるがままにその後も幾度と無く体を重ねた。
過去好きだった相手とはいえ、一度想いを抱いた相手に抱かれるのは悪い気はしなかった。求められる事を嬉しいとも感じていたみょうじだったが、日を追う事に、過去の気持ちは完全に蘇り、再び爆豪に対し恋心を抱くようになった。だが、二人の関係は恋人では無い。都合のいい時に抱ける相手。それでいいと最初こそは思っていたが、一年もその関係が続けば、それで満足出来なくなっていた。