第4章 ♡夢心地に恋ゴコロ
『わっ......陽葵さ...ごめっ...!』
今度は慌てた朝日の声が聞こえたが、
それに構わず陽葵は
泣きそうになりながら言葉を続ける。
「私のこと私がどう思おうが勝手じゃないですか...!
それに、色んな人から
私はだめな奴だって言われてきました...!
そんなこと言われたら、思いたくなくても
そう思うにきまってるじゃないですか!
.......だって...朝日くんだって、
本当は私のことそう思ってるくせに!!」
そんな陽葵の声に、朝日がぐっと眉を寄せる。
『......僕が...?陽葵さんを...?』
「...っ......」
言ってはいけない事だったとは思うが
言ってからではもう遅く、
陽葵はバツが悪そうに彼から目をそらす。
『陽葵さん、僕が陽葵さんのことを好きっていうの、嘘だと思ってたの?』
「.........」
『僕、この3週間、結構必死にアピールしてたつもりだったんだけど......全然、伝わってなかったかな...?』
「.........」
顔を見なくてもわかるほど、
沈んだ朝日の声が聞こえてくる。
ああ、きっと、これで全部終わってしまうんだろうな...と、陽葵の瞳からついに涙がこぼれそうになった時だった。
『ごめんね......。
僕が上手くやれてなかったせいで、
陽葵さんに辛い思いをさせちゃったんだね。』
朝日のとても優しい声が聞こえてきて
陽葵は驚き、彼の方を向く。
『本当にごめんなさい...。
陽葵さん、こっち、来られる...?』
その言葉と共に
これまた優しく腕を引かれ、
朝日の腕の中へと包み込まれる。
「...っ......」
『陽葵さん、本当にごめんなさい。
僕、自分から人を好きになったのなんて初めてで...誰かに“好き”を伝えようと頑張ったことも初めてで......全然、上手くやれてなかったんだと思う...。
辛い思いさせて、本当に本当にごめんなさい。』