第4章 ♡夢心地に恋ゴコロ
「朝日くん、本当に料理上手ですよね。
何作って頂いても、全部すごく美味しいです。」
『そりゃあ、陽葵さんに不味いものを食べさせるわけにはいかないからね!
.........どう?僕と結婚したくなった?』
朝日がニコニコとこちらを見つめてくる。
「.........それと、これとは、まだ...別です。」
『うーん、手強いなぁ......。
まぁでも、陽葵さんみたいな素敵な女性が、そう簡単に手に入っていいわけないもんね!
もっともーっと頑張らないとっ!』
「そ、そういうわけでは......。
むしろ、朝日くんの方が、
私なんかには勿体ないと思うんですが...」
意気込む朝日に、陽葵が困ったように笑う。
『ええ!何言ってるの!
陽葵さんは、世界一、宇宙一素敵な女性なんだよ!
僕なんか比べ物にならないって!』
「朝日くんは本当に、
私のこと買いかぶりすぎですよ...。
私なんて、本当にだめな人間で......」
そんな陽葵の言葉に、朝日が思わず
机に手を置き立ち上がる。
ーバンッ!
『絶っ対にそんなことない!』
「きゃ...!」
『...あっ......!』
と、朝日の勢いがよすぎたのか、
陽葵が箸で持っていたハンバーグを
自身のパジャマに落としてしまった。
『ご!ごめんっ!!』
それを見た朝日が、
慌てて陽葵に駆け寄る。
「え!ち、ちがうの...!
これは私が...!」
『ううん!僕がいきなり立ち上がったから...!
びっくりしたよね?ごめんね...
今拭くもの持ってくるから、
ちょっとだけ待ってて!』
そう言うとバタバタと洗面所に行き
すぐに濡れタオルを用意して戻ってきてくれる。
『ごめんね...染みには絶対させないから...!
とりあえずこれで拭いて、
だめなところは漂白して......』
「そ、そんな気にしなくて平気ですよ...!
こんな、安いただのパジャマですし......」