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王子さま拾いました。〖R18〗

第3章 ♡雨の日のおくりもの


『いえ、貴方のお役に立てたならなりよりです...!』


陽葵が頭をあげると、
花のように笑う彼の姿が目に入った。


「...っ......」


その笑顔がまたとてつもなく綺麗で
ついつい見入ってしまう。
すると、彼は陽葵の手をとり、
今度は柔らかく微笑んだ。


『........ねぇ、僕は誰からも君を守るよ。』


「え...?」


『今回だけじゃない。
君が不安に思う全てのものから
僕が君を守ってあげる。
......君を守れるなら、一緒にいられるなら、
最初はただのボディーガードでもなんでもいい。』


真剣な瞳が陽葵を見上げる。


『...お願い。僕を連れて帰って。』


「...っ......」


主にこの男悪運のせいで心配事の多い陽葵にとって、家にボディーガードとして男がいてくれるというのは、正直有難すぎる。

だが、それは、この男が危なくないことが大前提での話になる。

困った陽葵は、少し迷ったように口を開く。


「......どうして、私にそんなことを言ってくださるんですか...?」


『え?』


「そ、その...私と、け、っこん...したい、というのは......なぜ、なんでしょうか...?
私達、今日初めてお会いしたのに......」


『ああ...。そういうことか...』


彼は、少し寂しそうに笑うと
握っている陽葵の手に、
さらにぎゅっと力を込める。


『君は覚えていないのかもしれないけど、
実は僕、1度だけ君に会ったことがあるんだ。
.........その時、やっぱり君は今と変わらず
優しくて可愛くて......君のことが好きになった。』


「え......?
私たち、お会いしたことが...?」


『......うん。といっても、覚えていないのも全然無理のない、本当に少しだけ...なんだけどね。
それで、それからずっと、君のことが好きだった。だからずーっと、親の言う結婚相手も断り続けてた。
僕は、君と、君だけと、結婚したかったから。』
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