第3章 ♡雨の日のおくりもの
「.........」
『誓って、僕は君の嫌がることは絶対にしない。
絶対に、連れ帰って良かったって思わせてみせる。
最初に言った通り、大好きな君のためならなんでもする。だから、だからどうか、僕にチャンスをください。』
頭を下げる彼に、陽葵はなんとなく、
1度信じてみてもいいかな...なんて思ってしまう。
最初の言動が怪しかっただけで、
見た目は言わずもがな
とても上品な王子様そのものだし、
先程も困っていたストーカーから助けてくれたし、
なにより必死な彼の瞳が
どうしても危ない人間のそれには思えなかった。
「.........わかり、ました...」
『え......』
「...わかりました。
その......とても狭いところですが...それでも良ければ......」
『い、いいの!?』
彼の顔がぱぁああっと輝く。
相変わらずどの表情も、
とても綺麗で可愛らしい。
「は、はい......。」
『やったああ!!
よっ、宜しくお願いしますっ!!!』
「こ、こちらこそ...」
ーこうして、陽葵と朝日の、
ちょっと不思議な同居生活が始まったのだった。