第3章 距離
「てっちゃん…。」
私は電話に出た。
「はい…。」
「…。お前、なんかあった?さっきあいつから連絡来たぞ。」
「…。うん。あった。」
「迎えに行くから。どこ?」
てっちゃんは私にとってお兄ちゃんみたいな人。
その柔らかい空気でいつだって癒してくれる。そして、ピンチの時にいっつも駆けつけてくれるナイト。
実は、隆二と付き合う前からてっちゃんとは仲が良かった。隆二と付き合い始めてからめっきり会わなくなったけど、仕事やプライベートで落ち込むとんだ時はてっちゃんの入れてくれるコーヒーに癒されてきた。
隆二も私とてっちゃんの仲は知っている。
夜に一人で公園は危ないからと近くのコンビニへ移動して、てっちゃんが来るのを待つ。
道の先から走ってくるてっちゃんが見えた。
そとに出ると、てっちゃんは私のところへ駆け寄ってきて抱き締めてきた。
「!てっちゃん?」
困惑した。抱き締められたことなんてなかったから。
「大丈夫かー?」
走ってきたてっちゃんは少し汗をかいていた。
てっちゃんの香りに包まれると自然と涙がでた。
「おれんち行って、コーヒーのむか?」
首を横にふる。だって、てっちゃんのお家にいくなんて、隆二がしったら絶対に怒る。
…。でも、もういいんだ。だって、隆二は私じゃなくて元カノをみていたんだもん。