第5章 2人の思い出と永遠
車が走り出す。
「どこいくの?」
荷物をてっちゃんの家に置いてきているし、てっちゃんにも何も言ってきてない。
「…。まー。いいから。」
「…。てっちゃんに何にも言ってきてないから帰る。」
「だめ。俺から連絡するから。いいからちょっと付き合って。」
諦めた私は、窓の外を眺める。だんだんと明るくなってきた。
そういえば、付き合いたての時はこうやって隆二にドライブ連れて行ってもらったなぁ。
「朝のドライブ。すげー久々じゃない?」
隆二も同じこと思ってたみたい。
「うん。」偶然にもシャッフルモードにしていたipodから、2人の思い出の曲が流れた。
『永遠という言葉なら 信じられる 君となら』
隆二が口ずさんでる。
運転しながら口ずさむ彼の横顔を眺めるのが好き。
ずっとこんな風に居れたらいいのに。
いつもそう思ってた。今もそう思う。
「隆二…。」
「んー?」
「大好き。」
私の大好きなあの笑顔がよみがえった。