第4章 笑顔の奥の想い
朝方になって目が覚めた。
窓の外はまだ薄暗い。
「あれー。何時かな。」時計を見たくて携帯を探す。
まだ5時だった。
もう少し寝れる時間だが、なんとなく目が覚めてしまったので早めに朝食を作る為に近くの24時間営業のスーパーへ行こうとマンションを出た。
マンションの近くに見覚えのある車が停まっていた。
「…。うそ。隆二?」
なんと、隆二だった。運転席のシートを倒して寝ている。
「ストーカー気質なのかな。。。(笑)」
とにかく、家に帰らすために起こした。
コンコン。窓をたたく。
眠たそうにこちらをみる隆二。
私の存在を認識すると慌てて起き上がって、ドアを開け、抱きついてきた。
「ちょっ!やだ!はなしてよ!」
「…。やだはなさねー。」
「人くるよ。」
「もう帰ろう?俺、昨日てつやさん家に泊まってるの聞いて寝れなかったんだ。だから、きちった。」
「わたし、次のお家決まるまで実家に帰る。彼女と住めばいいじゃない。まだ好きなんでしょ?」冷たい口調でそう告げた。
隆二の顔が辛そうに歪む。
「彼女はお前じゃん。。」
「だから、もう無理なの。付き合ったときからずっと私のこと元カノと重ねてたんでしょ?ただの寂しさを紛らわす存在だったんだよ。」
気づきたくなかった事を口にして涙が溢れた。
「だから、もうほっておいて。別れたいの。」顔を伏せる。
「まじで、ごめん。。。俺、最低。でも、信じてほしい。お前の事,ゆいの代わりだなんて思ってない。」
隆二の口からその名前を聞くのもいやだ。
だって、私は隆二の事が好きだから。
「じゃあ、言える?いまここで。元カノに私のこと。」
「…。わかった。」そう言うと、携帯を取り出す。
「待って、ごめん。」
冷静になった私は、車の助手席に乗った。