第1章 王子と気まぐれ姫(菅原孝支)
「ん…」
自分の指先でさんが反応するのが魔法みたいで楽しい。
きゅっと目を瞑り、服を掴んでくる。
その些細な反応が、今までの傍若無人な彼女からは全く想像できず、これこそギャップ萌えの真骨頂なのではないかとすら思えてくる。
そのまま今まで通りに胸を攻めながら、やわやわと進撃を許されたそこを緩やかに触れる。
「あっ、すがわらくん……っ、ああ…っ」
「さん、俺、はじめてだから言ってくれないとわかんない」
少しだけ、いつもの仕返しに意地悪をしてみた。
「やぁ、ん、ずるいっ…」
ずるいのはどっちだ。
いつもいつも不意討ちで仕掛けてくるんだから。
「ほら、言って?」
「ちょくせつ、さわって…?」
つるっとした布地を退かして、温かなそこに更に緩く指を這わす。
「ん、つよくて、いい…っ」
力加減がお気に召さなかったのか、命令が飛んでくる。
ぬるぬると指に蜜がまとわりつくと、滑って奥まで入れてしまいそうになる。
力加減を少し変えて割れ目を開くと、しこりの感触。
指先で潰すと、
「あぁぁぁっ……」
という上擦った喘ぎがぽつりと漏れる。
「ん、すがわ…くん…っ、あ、ああっ…!」
「さん、可愛い……」
すがりついてくる様子があまりにも愛しくて、直接届くように耳元で言った。
「やぁあ…っ」
何千回も言われ慣れているだろうに、彼女は身動ぎして答えてくれる。
ひくっとお腹が跳ねると、深いため息を吐いた。
やっと潤んだ瞳が開かれると、濡れた長い睫毛が空を泳ぐ。