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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第7章 常闇(黒尾鉄郎)


抑えきれなかった声が、勝手に出てしまった。
鼻にかかったような、初めて聞く自分の声は、女そのもので気持ちが悪い。
呼吸を整えながらさっきの電流の余韻にぼんやり浸る。

(黒尾先輩が…)

頭でそれを反芻する。
じゅくじゅくと身体の真ん中が疼く。
くすぐったいとも痒いとも違う感覚に、戸惑いしかない。
まだ落ち着ききっていないのに、ゆっくり、熱がとろりと流れ落ちていくそこに、綺麗な長い指が一本入ってくる。
「うっ、あ………!」
火傷のような熱さで肉壁を割いて、奥に辿り着く。
「せんぱ、ぁい…っ!
こわい…こわいです…!」
「大丈夫だ……」
「やぁぁ……」
上に掻き出すような手の動きになると、今度は冷えていくような、熱くなるような、よくわからない疼きが沸いてくる。
「あ、ぁ、あっ…!」
奥の一点に指がかすると、更に欲深い痺れが身体に走った。
お腹の奥底が、熟してしまいそうな、重い痺れ。
「あぁっ!あ、ん…っ!
だ、だめ、そこ、だめぇ……!!!」
また仰け反って爪先が思わず跳ねた。
「ぁああああ!!いま、まだ、だめっ!!」
それにも関わらず、先輩の指はまだ動く。
中で絵でも描くように、読めない動きをして、私の弱点を数回コツコツと刺激すると、呆気なく、また身体が勝手に跳ねた。
「いや…!せんぱ…ぁっ!!
いやぁあっっ!!あっ、んぅ……!!」
それと同じくして、私の喘ぎは先輩の唇に閉じ込められていく。
飴でも舐めるかのように口の中を容赦なく絡め、果てた私にますます追い討ちをかけた。
「ぁぁぁぁ……はぁ…!」
重たくて甘すぎる快楽が、初めての私をどこまでも困惑させる。
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