第20章 蜂蜜レモネード4(影山vs及川)
さんのナカは、いつも凄く潤っている。
今までもきっと、怖かったり、気持ち悪かったりしたんだろう。
それをも気にせず、自分を受け入れてくれる寛大な彼女は、健気で、ばかだ。
断ればいいのに、拒否ればいいのに。
「はぁ…!は、ぁ、あぁぁ…っ!」
「さん…っ」
余裕なんてない。
ずっと、あの保健室から忘れられない。
回される細い腕が、熱くて死にそうなくらいに嬉しい。
「あ、いく、いくっ…んぅっ…!」
肌が密着するのに、どうしてもこの人の、血にも肉にも骨にもなれないのが悔しい。
こんなに、隙間なく、細胞の一つも許さないほどなのに。
「く、…っ!さん、はな、して……っ!」
「だめ、なかに、ながして…っ!!」
「…っ!!」
つい、その言葉が嬉しすぎて、ドクドクと己の欲を解き放ってしまった。
ぎゅっ、ぎゅっ、と最後の一滴まで搾るような動きに深いため息が出る。
「あ、ん……」
艶っぽい声が、耳にじゅくじゅくと染み込み、腰が疼く。
「かげやまくん…、また…」
「す、すいません…」
「ふふ、かわいい」
よしよしと頭を撫でられるのが無性に恥ずかしい。
首に顔を無理やり埋め、見られないようにした。
抜けばごぽりと白濁が太股に流れ、思わず生唾を飲み込む。
「いいよ、もう一回…」
そんな言葉を断る精神も持ち合わせていない。
向こうもきっとそれをわかっている。
故に、覆い被さるところまで、読んでいたようで、にっこりと笑われる。
自惚れてしまう。
こんな、愛されているかのような、指の絡め方。
髪の一本一本まで、慈しむような瞳。
寝静まっている家で、空が明るくなるまで繋がった。
汗ばんだ身体が、疲れてもなお求める本能に抗えるわかもなく、さんの声が掠れ、終わりを迎える。