第19章 蜂蜜レモネード3(影山vs及川)
角度を変えられた時にさんはやっと俺に気付いた。
「だれか、いるの?」
「トビオちゃんが来てるよ」
「…っ、ん、やぁ…」
「でも恥じらいがまだあるんだね?」
「はぁ……とおる、しゃん、さわっ…さわっちゃだめ……」
「なんで」
くすくすと楽しそうに笑う。
さんも服を手繰り寄せたりしている割に、及川さんの手を受け入れている。
「おいで」
ねっとりと、誘われる。
にたあっと口角が上がり、腕を引かれ、さんの甘ったるい香りが強くなる。
「はトビオちゃん大好きだもんねぇ?」
「……っ」
こんな状態で本人の口以外から知らされる事実に、どう反応したらいいかわからず、さんの顔を見る。
綺麗な宝石のような瞳から、ぽろぽろと涙が流れた。
なんて、やるせないんだ…。
「さん……」
名前を呼べば、びくっと肩を震わせる。
「ほら、開いて。さっきみたいにおねだりしたら?」
「いやぁ!やだぁあっ…!」
「今更遅いよ、最初から見てるんだから」
「…っ!!」
「及川さん……、もう……」
さんの瞳からは相変わらず綺麗な涙が流れ続けている。
見ていられなくて、制止の声を上げた。
「、大丈夫だよね?このくらい…」
「……はぃ…」
消え入りそうな声での返事。
及川さんは器用にさんのまとっている布を剥ぐと、床に落としていく。
制服のリボンだけを残すと、完全に首輪をされた奴隷のようで、見ていられず、こっそりと外した。