第2章 白昼夢幻想曲(烏養繋心)
あの苺キャンディは、私のお守りになった。
いつでも、どこでも、持っていた。
眺めると凄く勇気が沸いて…。
やっと逃げていたことに向きあった。
それでも、彼には嘘を吐いて、関係を続けていた。
依存してしまっている。
早く打ち明けて楽になりたい。
でも、相変わらず、彼は私に興味なさそうで。
「ピアノ、また始めたんだな」
「…っ!なんで…」
「放課後、学校にいるからな、俺」
「……」
どうしよう、知ってたなんて。
騙してたの、バレた?
罪悪感が、襲う。
だって、ずっと不調って言ってしまった。
「…明日1日オフだし、朝まで付き合ってくれるか?」
「…うん…」
顔を合わせないフロントは、この前ぶり。
心臓が、違う意味で痛い。
いつものキスが、始まりの合図。
痺れるようなその粘膜刺激を一心に受け入れ、脱がされていく制服が、足元でただの布になる。
スカートに手がかかり、彼は、あ、と呟いた。
「なんだ、飴、嫌いだったか?」
「…ぁ、違うの……」
なんとなく、恥ずかしくて、急いで奪ってまたスカートにしまう。
「お守り、だから…」
「早く食わねえと腐るぞ」
「……まだ、持ってたい…。
これがあると、上手く弾けるんです…」
「……そーかよ」
一段と深くなる口付けと、触れる冷たい外気で、足の付け根がとろとろと溶けていく。
「はぁ、ん、は、ぁ、あん…」
声を漏らしながら舌を絡めて、はしたないってわかっているのに、脈打つ体内が足りないと言ってくる
「最初から飛ばしてると、持たねえぞ」
「…は、はやく…」