第16章 蜂蜜レモネード(影山飛雄)
ビクビクと腰が揺れ、先走った欲が滲み出た。
「…っ!」
腰が浮いた刹那、下に履いている物を剥ぎ取られ、腹に付きそうな程反り返ってしまった自身が光に晒された。
あまりの恥ずかしさにさんの顔すらまともに見ることが出来ない。
そんなこともお構いなしに、恋い焦がれたその人は、モノを口に咥えて丁寧に舐めてくれる。
きっと、そういう気持ちがお互いあるなら、念願叶ったと思えただろうが。
「さ、ん…っ!」
さんは、何人とこういうことをシてきたんだろうか。
その中にさんの恋人はいるんだろうか?
もどかしい気持ちが募っていく。
喉の奥に敏感な箇所が当たる。
ざらついた舌とか、たまに当たる犬歯や奥歯が、自分では与えられない刺激が常に抑揚を与える。
「…っ、くっ…!!」
息を止めても波には抗えず、口に盛大にぶちまけてしまった。
「さん…!すいません!!」
「ん、いいよ…」
ティッシュを探したがどこにもない。
吐かせようと手を添えたが、ごくりとそのまま音を立てて飲んでしまった。
せめて、と水を汲もうと立ち上がったが、そのまま腕を引かれ、ベッドに押し倒された。
カーテンレールが光を通しながら揺れる。
「ごめんね……」
謝りつつも悲しい切ない顔をされる。
ドキッと心臓が大きく鳴いた。
また硬度を増していくソレに、柔らかな体重がゆっくりと降りてくる。
「さん…!!そ、それは…っ」
中学に上がって、クラスの奴等とふざけて見た映像が頭のなかで甦る。
馬鹿馬鹿しいとは思っていたけれど、それでも人間の生理現象とは面倒なもので、それに従った身体は疼く。