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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第15章 白昼夢幻想曲4(烏養繋心)


寂しさや承認欲求とはまた違う何かだとは思う。
私は行為自体が好きというよりは、のめり込むようにその人が好きで。

もどかしすぎて服も全部脱がないで繋がる程だった。
でも、相変わらず、私の一方的な大きすぎる好意がたまに邪魔する。
なんで会わなくても平気なの?
なんで名残惜しくもなくお別れできるの?
って、不思議で仕方がない。
それは勿論、埋められない年齢の差や、経験の差ではあると思う。
私が今現代を生きている人で初めて恋をした相手は、彼である。
だから、その考えは埋められないものかもしれない。
「あっ…、あっ」
与えられる刺激はいつも切なくキュンとなる。
それなしでは生きてはいけなくなるほど気持ちがいい。
触れて貰えないなら死んでしまおうとすら思ったあの日の私は、まだどこかに棲んでいる。
どこまでも自分勝手で嫌になる。
もしこのヒトに、今私が抱いている感情を持てるようなヒトが現れてしまったらどうしようか。
私は立ち去れるの?
それとも、死のうとするの?
それとも……、最悪な方へ頭が動いて目を瞑る。
「何考えてんだ?」
「ん、ごめんなさい…っ」
集中しろ、と、フレンチキスされる。
それだけの行為が、どれだけ私を熱くさせるかわかっていない。
「…私の、独占欲が、醜くて…」
「どこが」
「だって…っ」
「それが、嫌だと思ったことなんか…っ、ねえよ」
なんで、いつもこんなに欲しい言葉をかけてくれるのだろうか。
いつものクセで、照れると視線すら合わせてくれない。
いつもは寂しいけれど、本当に想ってくれているんだと思うと、愛おしく思う。
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