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【文アル】Could You Love Me?

第3章 子供な君へ【坂口安吾】


だから私は

「良いの、こういうことはさっさとやった方が良いから」
「………。」

しん、と沈黙が落ちてしまった。
まさか安吾が黙るとは思ってなくて、いきなり不安が襲ってくる。
ど、どうしよう。流石にひねくれすぎたよ…!

不安が一気にこみ上げて、私は思わず弾けるように振り返ってしまう。
絶っっ対、私今泣きそうな顔しているんだろうな…だって

「やれやれ、大人ってもんはもっと俺みたいに心に余裕があるやつのことを言うんだよ」
「…ほら、ちょっとこっちこい」

やれやれとした顔をしつつも、
膝を叩いて両手をこちらに広げている彼がいたから。

いつもの光景に単純な私は安心してしまって。
迷わず彼の胸に飛び込む。
すかさずぎゅっとして頭を撫でてくる彼に、叶わないなぁと私は思うしかなかった。

「お、おいおい…泣くことねえじゃねえか」

そんな優しい声で言わないで欲しい。

「泣いてないもん」
「いや泣いてるからw…ほら、今日はどうした?いつにも増して素直じゃないじゃねーか」

両手で顔を挟まれ、親指で涙を拭われる。
そんな風に甘やかさないで欲しい。
また、この優しさと包容力に甘えてしまう。

「だって。…安吾だって綺麗なお姉さん好きでしょ?」

私は思いっきり拗ねた声で答えてしまう。
そう、さっきの散歩中。
安吾は寄った喫茶店の給仕のお姉さんに、告白されていたのだ。

「悪ぃな、俺にはツレがいるから」と言いつつ、満更でもなさそうだった彼。
私はそう、給仕のお姉さんに嫉妬したのだ。
俺、カノジョいるから無理。…に、嬉しい!よりも嫉妬が勝つ私ってなんなのだろう。

思い出してまた自分が嫌になって。
彼の肩に私は頭をぐりぐりする。

「くっ、やっぱヤキモチ焼いてんじゃねーか」
「嫉妬深くてすみませんでした!!」
「あぁ、あぁそんな膨れるこたぁねえだろ」

悪かったよ、俺も言い過ぎた。
そう言って彼は私の髪にキスをしてくれる。
…私が一番落ち着く方法だ。

抱きしめられながらこうやってキスをされるのが、私は一番好きだった。
愛されてると感じるし、何より。
俺を好きでいていいと言ってくれているみたいだから…。

「ん?落ち着いたか?」
「…うん」

今日初めての素直な私の言葉に、彼はふふっ、と笑ってくれた。
そして私の耳元で優しく言ってくれる。

「確かに綺麗な姉ちゃんは好きだけど」
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