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【文アル】Could You Love Me?

第3章 子供な君へ【坂口安吾】


「安吾。今なんて言った?」

私は恋人の汚部屋でその部屋の主を詰問していた。
今日は土曜日だから二人で朝から散歩と言う名のデートをして、
彼の部屋がまたゴミだらけになっているから掃除しようと思って帰ってきて。
掃除し始めて、さっきの散歩楽しかったね、なんて話している矢先だった。

「ん?『ヤキモチ焼きの花奈チャンかわいいねー』って」
「ヤキモチなんて焼いてない!」
「焼いただろw」

私のココロなんてお見通しだと言わんばかりの自信たっぷりな様子に悔しくなる。
安吾は床にどっかり座って胡座をかいたままニヤニヤ。
私精いっぱいの睨みを聞かせながら、言い放つ。

「ひどい!安吾なんて嫌いだもん!」
「はいはい、まったく見え透いた嘘をついちゃって。花奈はお子さまだねぇ」
「こっ、子どもじゃない!」
「いやいや〜」

…子どもだ。私は子どもだ、安吾の言う通り。
時々私は不思議というか不安になる。
だって毎日のように私たちはこんなくだらない言い争いをしているのだ。

太宰さんや織田さんには「仲が良くて微笑ましい」などと冗談交じりに言われたりはするのだけど。
正直なんで安吾は私と付き合ってくれてるのかわからない。

ああ、私ばっかりが好きみたいで悔しい。
悔しい悔しい悔しい…!ああっ、もう!

「そ、そっちこそ!子どもじゃなかったらこのゴミ部屋なんとかしなよ!」
「それは関係ないだろ」
「ある」
「ない」

素直じゃない馬鹿な私は、彼にまたきつく当たってしまった。
ゴミ袋を彼に投げつけながら、私は続ける。

「ありまーす!きちんとお片付け出来ない人は大人じゃありませーん」

ああまたやっちゃった。
どうしてこんなに口をついて悪口みたいなのが出ちゃうのかな?
我ながら悲しくなってきて視界が涙で滲み始める。
今彼の方は向けない…や。

私はぐっと袖口で涙を気付かれないように拭った。
そのまま罪滅ぼしにはならないけれど、どんどん彼の部屋にあるゴミを拾っては袋に捨てる。

…その剣幕が彼にも伝わったのだろうか。

「なぁ、そんな急いでやんなくてもいいだろ。お前早すぎ」

呆れたような、でも心配の色の方が濃い彼の低く落ち着いた声。
私はこの声が大好きで、いつも彼の言葉に甘えてきた。
私にはこうやって彼の面倒臭がることを、代わりにやるぐらいしか素直に気持ちを返せないのに。
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