• テキストサイズ

【文アル】Could You Love Me?

第2章 優しい君へ【織田作之助】


「敵わない?」

私が聞き返すと彼は、そや。と言って続ける。

「ワシかてナニワの男や。そうそう可愛い可愛い大切なカノジョに心配掛けたくはないんよ」
「かわ、」
「あっ、赤くなってかわいなぁ。こんな自分から額くっつけるぐらい大胆になったんやし、これぐらいで照れんでええのに」
「さ、作之助さん冗談はやめて下さい!」

さらっと言われたセリフに思わず赤面するとからかわれた。
しかし彼はまた真剣に語り出す。

「せやけど。強がりはようないんやな、花奈に悲しい思いなんてさせたら本末転倒や。今更気づいたわ」

そう言って彼も手を伸ばして私の頬に手を添える。
男らしくて、大きくて大好きな手。
そしてグッと力を込めた声で言われる。

「これからは…太宰クンや安吾だけじゃなくて、花奈にも頼ってみる」
「大事で大切にしたい相手にこそ、弱み見せなあかんな。そうじゃないと相思相愛なんかやない、片道一方通行や」

大切なことに気づかせもろた、ほんまにありがとう

気がついたら瞼にキスをされていた。
慈しむように、優しく丁寧に何回かキスされる。

くすぐったかったのと、くちびるにはしてくれないのだろうかと思って目を開けたら

「ここはワシの体調が全快したらな?…わからんけど風邪かもしれんし」

と言って親指でくちびるをなぞられ、片目を閉じられた。
その仕草はまるで全てをトリコにしてしまうアイドルみたいで。
けれどやっぱり寂しくて、でも彼を困らせたくなくて。

「治るようにたくさん看病します…」
「…そんな顔されたらしたくなってまうやろ」
「ダメです」
「わかってる」

一回キスしただけじゃきっとうつらない
でもきっと一回だけじゃ終わらない
そうしてうつってしまったら、彼はきっと自分を責めてしまう。彼は優しいから
…だから、今はだめ

「しゃーない。ワシはわかってるで?うつったらワシが謝るのが目に見えてるんやろ」
「その通りです」
「花奈は優しいなぁ、優しすぎて時々罪悪感に苛まれるわ」

彼はキスをする代わりに私をひょいと胡座の上に乗っけて後ろから抱きしめた。
彼の息が耳にあたってくすぐったい

「作之助さんの方が優しいと思いますよ?」
「嫌、それはない。だってワシ、花奈に嘘ついたのもカッコ悪いって思われたくなかったからやもん。自分のための嘘や」
/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp