第2章 優しい君へ【織田作之助】
「それなのに花奈は心底ワシを思って色々言ってくれた。ほんまの優しさや」
ぎゅっと抱きしめる力が強くなる
「作之助さんの優しさだって本物ですよ?…今日の嘘はあんまり嬉しくない優しさですけれど。いつも気遣って下さいますし、仕事も体調も、悩みとかも」
「そんなの当たり前やもん、ワシ花奈のカレシやもん」
「当たり前じゃないですよ!」
私はぐるん、と強引に後ろを向いて彼を見つめる。
ああこの人は本当に優しすぎる、どこまで人を甘やかせば気がすむのだろうか。
生前彼は亡くなるまで、先立たれた奥さんの写真を肌身離さず持ち歩いていたと言う。
そんな愛妻家だった彼には、この気遣いは当たり前なのかもしれない。
だけど、
「こんなに愛情を持って接してくれる人なんて、後にも先にも、世界中探しても作之助さんだけですから!」
言い切って私は彼に抱きつく。
そうして幾時間かがたった時、そっと彼が抱きしめ返しながら呟いた。
「そのセリフ、そっくりそのままお返しするで…けど。おおきに、花奈」
2日後。
あれから私の看病の元、しっかり寝て食べて全快した彼は今日から任務に復帰する。
体調不良は疲労による風邪が原因だったようだった。
森先生にも「お前は自分の身体を大事にしろ」と怒られていたし、これを機に無茶をすることが減ってくれますように…
そんなことを思いつつ私は意気揚々と食堂に向い、扉を開ける。
だってそこには
「花奈、おはようさん!全快したで!」
太陽のような笑顔で待ってくれている大好きな人がいるから。
私は両手を広げて待っている彼の胸に飛び込もうと駆け寄ると抱きしめられ…
「愛してるで、花奈」
ずに
ちゅ、とキスされたーー全快したらすると、約束をした場所に
その途端周りがざわめく。
「おっださく!何してんだお・ま・え!!」
「っヒュー、いいぞーもっとやれー」
「何してんスか!オダサクさんっ!!」
「あっ、三好!こらこら殴りかからない!」
歓声とヤジが飛ぶ中、私たちは微笑みながら甘いキスを何度も交わした
fin