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【文アル】Could You Love Me?

第2章 優しい君へ【織田作之助】


いつもはこの司書室ももうちょっと賑やかなのに…そっか
彼がいないからか。

明るく朗らかな彼はここでよく私とお喋りをしてくれる。
たった一人でこの図書館に赴任して来た私が、あまり寂しさを感じなかったのは間違いなく彼のお陰だ。

…そう言えば。
彼は二日酔いだったよね、もうお昼なんだしそろそろ会いに行っても良いはず。
アイツ二日酔いの時はマジでおっさんだから絶対に部屋に行くな、って太宰さんに午前中言われたけれど。

確かに私の部屋に出入りするようになって酒量は減っている。
泥酔することもなくなったらしい。
と、言うか私は泥酔状態と二日酔い状態を見たことがない。
…ちょっと見て見たい気もするけれど。

私はそう思いつつやはり彼が心配なので部屋に向かった。
今ならあの三人も食事中だろうから、部屋に行ったこともバレないだろう。


シン、と静まり返る廊下を歩いて彼の部屋の前に立つ。
何度か入ったことはあるけれど、一人で来るのは初めてかもしれない。
私は静かにノックをした。

「なん、や…太宰クン?安吾?」
「あの、作之助さん私です、花奈です」
「っ?!はっ?!おっしょはん?!っゲホゲホ…!」

気だるげな声から一瞬にして素っ頓狂な声に変わる。
…そして咳。
私は驚いてドアノブに手を乗せ回そうとしたら

「あかん!っゲホ、あ、あかんでお司書はん開けたら。開けんといてや、お願いや」

鋭く叫ばれた。
こんな声を荒あげる彼を私は知らない。背中に冷たい汗が流れる。
彼は生前は結核で亡くなった。

転生しても体調が優れないなんて、そんなこと知らなかった。
どうして教えてくれなかったのだろう?
私は彼の命を預かる司書であり、錬金術師で何より「恋人」なのに…!

「そんなお願い、聞けません!」
「花奈!やめてや!」

私は彼の制止を聞かずにドアを開け放った。
そこで視界に飛び込んで来たのは

「な、んですか、これ…」

ベッドサイドに置かれた鍋と市販薬の瓶。
氷袋に桶。

「あーあ…見つかってもうたわ…」

私は泣いた。
涙がとめどもなく出て来て視界を遮る。
視界も頭もぼんやりして、彼をビンタした後は覚えていない。
ただただ悲しかったのだ。
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