【千銃士】笑わないマスターとfleur-de-lis.
第4章 イブの時間
……マスターの、大切な人。
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俺、敵わないじゃん。
やっぱり『シャル、ルル』なんて呼んでもらえないのかな?
「俺はそれ位しか聞いていない。写真を拾った時に少し……無理を言って聞き出したんだ。」
マスターには結構YESマンのベスくんにはちょっと珍しい。
「後はタバティエールに聞いてくれ。あいつなら他にも知ってる事がある筈だ」
頷く。
話しているベスくんも珍しく辛そうな顔をしている。
これ以上ベスくんは話すつもりは無いらしく立ち上がり又石を投げた。
それは一度も跳ねる事無くとぷんと水面に吸い込まれる。
チッと舌打ちしてベスくんは基地の方へ戻って行く。
春先のまだ寒い風がサァと、俺の後れ毛を撫でた。