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【千銃士】笑わないマスターとfleur-de-lis.

第3章 笑わないマスターがちょっとだけ笑う話


「だめだ、練るな!サックリ混ぜろ!」

ベスくん指導の元イングリッシュスコーンを作り出したがお菓子作りは中々に厳しい。
材料は薄力粉、強力粉、ベーキングパウダー、砂糖、牛乳、バター、ヨーグルト、卵。
「ちゃんと揃っているじゃないか!」
何故かドヤ顔のベスくん。
粉類は最初によく混ぜてバターは角切りに。
ヨーグルトは水切りしておく。
砂糖、牛乳、卵はよくすり混ぜる。
液体の方にヨーグルトを混ぜて、粉類はバターと合わせる、――のだけど。
後ろで見ているベスくんにはたかれた。
「バターが溶ける様に混ぜるな。サックリだサックリ」
ベスくんに後頭部をビートルートみたいにポクポク叩かれる。
「ビートルート?ボルシチでも作るのか?」
ち、が、う!
大体俺は銃なんだから料理は出来なくて当たり前だし?
「混ざったら打ち粉をして伸ばせ。三つ折りにして又伸ばせ」
銃じゃなく麺棒を渡され困惑する。
「貴銃士なら長物は使いこなせ」
当然の如く言うけど、麺棒は使いこなさなくて良いと思うんだけどなあ。
混ぜた生地を伸ばして、折って又伸ばす。
「型抜き。勿論伝統的な丸だ」
何故かドヤ顔のベスくんにセルクルを渡されて型抜きしていく。
「型抜きした生地は断面を触らない様にそっと天板に乗せる」
もうちょっとだな。
オーブンは旧式の竈に近いタイプだ。
ベスくんが火入れして温めてくれたそれに天板を入れる。
「この変なのは何だ」
ベスくんを無視してオーブンを閉める。
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