【千銃士】笑わないマスターとfleur-de-lis.
第2章 罪と罰の澱の中で
「下着も脱げよ」
ワンピースを着る俺にベスくんがにべもなく云う。
うぇぇ……。
「何で?」
「あらぬ気を起こして自害しない様に使えそうな物は全て脱ぐ決まりだ」
ベスくんの言葉に断っても無駄だと諦め下からインナーも脱ぐ。
「変な事に使わないでよ?」
苛立ち紛れに冗談を云えば、目の前の彼は?という顔をした。
「マスターに渡しておく」
「スフィーに渡してお願いだから」
『それ位は良いか』と納得するベスくんにため息が再び口をつく。
「ね、これだけは持ってて良いでしょ?」
スカーフから外した飾りを手に持ち云うが、ベスくんは首を横に振る。
「だめだ」
俺の手の中からそれを奪う彼――。
「懲罰の意味を考えろ」
そして俺は営倉に入れられた。