第1章 雄英高校
緑谷いずく……嫌、緑谷出久さんを見つけた。
グラウンドに移動した後、ボール投げをする時に緑谷さんが前に出た。その姿や髪の毛の色、何だか引子さんの面影があるように見える。そうなんだ、きっとあの人が"いずく"なんだ。
そんないずくは1回目にボールを投げたが先生に消されてしまった。よく分からないけれど、何か入試であったらしい。推薦入試だったので彼とは、合ってない気がする。
いずくはすごく焦っているように見えたが、2回目で良い記録を出し、指が1本の色が赤紫に変色して先生に痛みに耐えながら笑顔を見せた。
「いずく……見つけた。」
小声だったので周りの人には、聞こえてないらしい。それはそれで良かった。
引子さん、貴女の息子さん見つけました。お友達という関係になれるのかな。まだよく分かりません。
先生に拘束されている爆豪さんを見ながら、自分の気持ちに疑問を抱きながら次の種目はどんなのだろう。と考えた。
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「んじゃ、パパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。」
全種目が終わり、映し出されたのは名前と自分の順位。
16 上鳴電気
16 植村すみれ
と書かれてあり、上鳴さんと言う人と同位らしい。頑張っているように見えた出久は最下位だった。出久を見るとキュッと胸が締め付けられて何だか辛くなる。……これが悲しいって事なのかな。
「ちなみに除籍はウソな。君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽。」
しかし、どんでん返しがあり先生から"除籍処分は嘘だった。"と言われて驚く人は凄く驚いていた。
八百万さんは知っていたぽい。私は除籍処分の事はあまり頭に入ってなかったが本当かと思っていた。
そっか……嘘なのか。騙された。それがそうといずくは除籍処分にならないらしい。ほっとした。
「植村さん、ギリギリでしたね。私、ひやひやしましたわ。」
「はい、個性的に相性はよくありませんでしたけれどね。」
ひやひや……。八百万さんは何故私にひやひやしたのだろうか?不思議な八百万さん。
安心しきった顔をした八百万さんは「さっ、一緒に着替えに行きましょ。」とお誘いを受けたので一緒に着いていった。