第6章 波乱の体育祭
「おはようございます、すみれさん。」
「百さん、おはようございます。」
学校に着き、体育祭が始まるまで控え室で待つことになっているので、私は更衣室にそのまま行き着替える。
着替えてから出て控え室に行くと数人はそこにいた。百さんもいたので近くに座ると挨拶された。
「屋台が沢山あり、お祭り状態ですよね。」
「あまり屋台と言うものを見たことない為、新鮮でしたわ。」
何でもない顔で言う百さんは本当にお嬢様らしい。
私は、体育祭準備のためにアームロングの手袋を付けた。実を言うと色んな手袋をサポート会社から要求をし、2週間の訓練中に来た。
なんだかんだ、これで怪我して血でも出たらこちらが不利になってしまう。
まぁ、アームロングといえぞ、指だけは出ているのでデミグラムの袖が長いバージョン。
「少しぶかぶかですわ……!これぞ、萌え袖と言うものですね!」
「ピチピチだとキツいので。あと、萌え袖ではない気がします…。」
だって、袖が長くないもの。
それでも「可愛いですわ。」と言ってもらえたけれど可愛いの基準がイマイチ分からない。
「すみれ、ヤオモモ。おはよう。」
「おはようー!!!」
「響香さんと透さん、おはようございます。」
ちょこちょこと人が来て、教室とは打って変わってあまり雰囲気が良くないように感じた。
「うぅ。」と言った響香さんにどうしたと聞くと私の方を見て緊張しているかのように微笑んだ。
「やっぱり、待っているときって緊張するよね。」
「そうですかね?あまり、緊張と言うものはしません。」
緊張はしてない。というか、緊張とはどんな症状だろうか。それも分からない。響香さんにそう言うと「大物になれるよ。」と笑われた。
「みんな準備は出来てるか!?もうじき入場だ!」
飯田さんの声が響く中、もうすぐで体育祭と言うことが実感できた。もうすぐ入場か……。周りを見ていたら、轟さんが立ち上がり何故か出久の方に体を向けた。