第5章 直々特訓。
「雄英体育祭が迫ってる。」
「「クソ学校ぽいものきたぁ!!」」
雄英体育祭、それはずっと昔にやっていたオリンピックと言われるほどの大イベント。
体育祭と言った通りに全クラスで戦う、大会だ。
「ヴィランに侵入されたばっかなのに体育祭なんかやって大丈夫なんですか?」
尾白さんがそう言い、確かに。と思う。だって、期間が早すぎな気がする。けれど、大イベントだから外せないのも分かるし……。
「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示すって考えらしい。
警備も例年の5倍に強化するそうだ。」
相澤先生がそう言う。それだったら良いと思うが、逆にヴィランに目を付けられる場合もある気がする。
あと、プロヒーロー達が見に行く"最大のチャンス"らしい。
やっぱり、最大のイベントにして世間が注目しているのでそう簡単にはやめられないし、何よりも……。
「当然、全国のプロヒーローに観ますのよ。スカウト目的で!」
百さんが言った通りにプロヒーロー達はスカウトに来るらしい。私達はヒーローになるらしいのでその為のスカウト。将来的には良いらしい。
プロヒーロー事務所に入り、サイドキット入りがいい感じ。
「年に1回、計3回だけのチャンス。
ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ。その気があるなら準備は怠るな!」
「「はい!!」」
チャンスか……。あまり深くまで考えてなかった。
というか私はヒーローになれるのか。ただ単に、私がヴィラン側に転がらないためにここに推薦したのではないのか……?何だか、あまり良い気分ではないな。
「植村、お前は体育祭参加出来るかはまだ不明だ。
詳しく決まり次第、報告する。」
ほら、やっぱり。相澤先生をじっと見ているとガラガラと扉の開く音がした。
「それが決まるまでは"表情の勉強"を特訓してもらう。」
表情の勉強……?どういう事だろうか。
よく意味が分からないまま、首を縦に振ると相澤先生は「まぁ、後から分かる。」と言いその話を終わらせた。