第1章 雄英高校
「隣に引っ越してきた植村と申します。さっきはばたばたとうるさくなってしまってご迷惑をおかけしました。この子は孫のすみれと申します。これからご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いしたします。あと、これつまらない物ですが……。」
「わざわざすみません。お孫さんと2人暮らしですか?」
女性は申し訳無さそうに受け取るとそう質問された。
お婆ちゃんは微笑みながら「はい、今年から高校1年生になります。」と言うとその女性の人はパッと表情が明るくなる。
「私の息子も高校1年生になるんですよ!あの、失礼ですがすみれちゃんの高校って……。」
「んま!そんな偶然があるんですねぇ……。雄英高校ですよ。もしかして、緑谷さんの息子も?」
凄く表情が豊かな女性だ。さっきよりも嬉しそうに顔が綻んでいる。悟った、隣の家の息子さんと同じ高校なんだ。あまり、雄英の人と近くない方が良かったんだけどな。
「もし良ければ、私の家でお茶しませんか?」
「そんな良いですよ。ご迷惑ですし。」
「そう言わずに、さっさっ!」
「お言葉に甘えて。」とお婆ちゃんが入って行く。私は行かないほうが良いか、それとも入った方が良いのだろうか。よく分からない。立ち尽くしていると「すみれちゃんもどうぞ!」と明るく歓迎された。