第4章 ヒーローの世界。
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ここはどこだ?そう思った瞬間に、来たのは強い風。
オールマイトが人間ではない生物と戦っている。
もしかして、オールマイトのところまで来てしまった?
凄く強い風なので、足がよろめく。なんて所に連れてきてくれたんだ。
「プルスウルトラァァァア!!!」
激闘の末に、勝利を飾ったのはオールマイトだった。
物凄い力で吹き飛ばし、ドームに穴を開けるほどだ。
「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば十分だったろうに……300発以上も撃ってしまった。」
300発も撃ったのか、しかしながら衰えたのか?
あれで衰えたらしい。ヒーローの世界は分からない。倒してくれたからそれで良いんじゃないのか?
なんて思ったけれど、まだ倒してない人達がいるか。
「さてとヴィラン。お互い早めに決着つけたいね。
君達もよくやるよ。気が違うところに行っているときに連れてくるなんて。植村少女を返してもらおうか。」
「チートが!!」
気付いていたのか。オールマイトが私の方をじっと見る。
「んで、今いるんだよ!黒霧!ちゃんと声かけろ!!」なんて声を上げて、ガサガサと首をかいているリーダー的な男性を見る。肌はガザガザで掻きむしった跡があり、イライラすると掻き癖というのはすぐに分かった。
……隙は一体、ないだろうか?
「彼女が悲劇の道具である植村すみれさんですよ。」
「あぁ、先生が言っていた……。」
来た。その話している瞬間に走って、出久さんの所まで行く。しかし、手が伸びきたので反射的に蹴りをいれた。
出久さん達のところまで行くと「まじかよ!」なんて声が上がる。
「普通、そこで行けるかって感じなんだけど!」
「隙を見ていました。ここで逃げなければ、人質にとられてしまいますよね。」
あっち側がイライラしているのが見える。しょうがない、隙を見せてしまったのが悪い。
凄く言いたかったことがあったのでそちら側を見て、口を開けた。
「最初の方で"可哀想な瞳"と言っていましたけれど、別に否定はしません。しかし、自分自身のことは"可哀想"だとは一度たりとも思ったことはありませんので。」
そう言い切るとオールマイトが「さすが、植村少女!隙を見て逃げるなんて良く出来た!」なんて授業と同じように褒められた。