第4章 ヒーローの世界。
そう聞いた瞬間、ドーム中に響く扉の破壊音。
でも、敵ではない。だって……
「もう、大丈夫。私が来た。」
飯田さんが成し遂げてくれたのだ。そこにはオールマイトが険しい表情をし、立っていた。
飯田さん……。無事にオールマイトと会ったのですね。
「嫌な予感がしてね校長のお話を振り切ってやってきたよ。
来る途中で飯田少年とすれ違って何が起きているかあらまし聞いた。」
今、飯田さんがいないのできっと他のヒーロー達を呼びに行ったのだろう。
オールマイトが階段を早いスピードで降り、ここからじゃよく見えないが、沢山の敵を倒していくのが分かる。あぁ、これがNo.1ヒーローか。改めて実感できた。
「よ、良かった……。オールマイトだ。」
「飯田くん、会えたんだね。」
お茶子さんと三奈さんが話している。私自身もほんの少し、ホッとしている。
でも、オールマイトを倒すために大掛かりな計画を立てられていてもしかしたら敵側がそれが想定内だったら……?
なんていうことを考えているんだ。
「あっ!あれ梅雨ちゃんじゃない?」
「手伝ってくれ~!重い〜!」
下を見るとボロボロな相澤先生を抱えた梅雨さんと峰田さん。何故か、いても立ってもいられずに階段をジャンプして降り、そちら側に向かった。
「は、速っ!!」
「すみれちゃん、もし良ければお腹の方を抱えてくれない?」
「分かりました。お二人は大丈夫ですか?」
腹の方を持ち、安定感を保つ。すると上から砂糖さんや障子さん達が来た。
「すげぇ、速ぞ!」
「個性を使ってない飯田と同じぐらいじゃないのか?」
「そこまで速くないです。」
すると砂糖さんが相澤先生を持ち上げて、正直に言うと2.3人よりもずっと安定感があるように思えた。
みなさんの後ろを歩いていると急に引っ張られる感覚になった。
「すみれちゃん!!!」
梅雨ちゃんの叫び声が聞こえた。長い長い舌が見える中、目線は急に真っ黒になる。その感覚もしかすると。
「ほんの少し、お借りしますよ。」