第4章 ヒーローの世界。
「行けって非常口!外に出れば警報がある。だからこいつらはこん中だけで事を起こしてんだろ?」
「お前の足でこのモヤを振り切れ!」
そんな飯田さんに言う瀬呂さんと砂糖さん。
飯田さんは私達の方を不安そうにチラッと見た。そんな飯田さんにお茶子さんは己の手を握りしめ飯田さんをみた。
「食堂のときみたく、サポートなら超出来るから!するから!」
うんうん!と三奈さんが言う。そんな少し揺らいだであろう飯田さんを見て、「失礼します。」と一声かけて手袋から手を出し飯田さんの足を触った。
「私の個性、飯田さんに使います。一気に最大にはしないでくださいね、凄く負担がかかりますので。そこらへんの管理は飯田さんできると思います。」
「植村くん……みんな……。」
手を離し、すぐに立ち上がり黒い霧を見る。
しかし、範囲は大きくなり、まるで怒っているようだった。
「手段がないとはいえ敵前で策を語る阿呆がいますか!」
「バレても問題ないから語ったんでしょうが!ブラックホール!」
黒い霧を13号さんの個性で吸い込む。これが"ブラックホール"…?凄い威力だ。
段々と吸い込んでいき、その力は圧倒的に思えた。
嫌、思えたんだ。
「なるほど、驚異的な個性です。
しかし、13号、あなたは災害救助で活躍するヒーロー。やはり戦闘経験は一般ヒーローに比べて半歩劣る!」
13号さんの背には、大きな黒い…まるでブラックホールな物。
それに吸い込まれていく、背中。もしかして、ワープさせた?
そんな姿を見てお茶子さん達は、びっくりしたような…嫌、顔を歪ませてまるで恐怖に怯えているようだった。
「飯田、早く走れ!」
砂糖さんの言葉にハッとしたのか、走り出した飯田さん。
「くそおおおおおお!!」