第3章 可哀想な瞳。
「侵入者センサーは?」
侵入者センサーが発動するはずだ。そう疑問を言葉に出した百さん。しかし、発動していたら2人先生は何かしら分かるはずだ。
「センサーが反応しねぇなら向こうにそういうことができる個性がいるってことだ。」
轟さんがつかさずに言うとお茶子さんの顔が不安で歪んだ。
もしかして、あの黒い霧とか……?だって、ぞろぞろとこの中からヴィランが歩いてくるから。そう考えたが、そのことは言わなかった。
「これはなんらかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ。」
もしかして、オールマイトとか?妙な緊張感が周りを包む中、相澤先生は首に巻いてある包帯?みたいな物をほんの少しいじった。
「13号、避難開始。学校に電話試せ。
電波系の個性が妨害している可能性がある。上鳴お前も個性で連絡試せ。あと、植村はあまり"肌"を出すな。」
肌が隠せるほどの長いポンチョを着ておいて良かった。短いズボンから編み込みブーツまで肌が出ていたが、そのおかげで見えてない。手を出していたが、上着の中にしまった。
手に触れなきゃ発動しないが、細胞は体中を駆けめぐっている。もし細胞だけ取られたら、したくなくても"強化"させてしまうというデメリットがある。
「一人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すといってもイレイザー・ヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……。」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん。任せたぞ、13号。」
「先生、個性使います!」
「嫌、いい。お前は肌を出すな。」
相澤先生は階段を飛び降りて、沢山のヴィランと戦っていく。凄く強くて色々な個性を持ったヴィランにも負けないほどの力があるのは見ているだけで実感した。
ほんの少し出していた手を上着の中に入れた。
じっと見つめているた。「すみれちゃん。」と梅雨さんの呼ぶ声が聞こえて、後ろを振り返るとさっきまでいた黒い霧が私達の出口を塞ぐようにいた。
「初めまして。我々はヴィラン連合。」