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お話をしましょ。【ヒロアカ】

第3章 可哀想な瞳。




「出久さんは良かったんですか?委員長変わって。」
「ん?あの時、言ったとおりだよ。飯田くんの方が最適だと思ったんだ。」


 あの不法侵入マスコミの後、飯田さんの勇気ある行動で委員会決めの際、緑谷さんからご指名で飯田さんが委員長になった。まぁ、飯田さんは様になっているけれど緑谷さんがやりたそうにしていたのに良いのか。
そう思い、帰り道また一緒になったので聞いてみた。



「出久さんが委員長でも、良いと思ったんですけれどね。」
「もしかして、僕に投票してくれたの……?」
「いいえ、違います。」
「ですよねー……。僕がなれるなんて思っていなかったし、投票してくれた人達には申し訳ないけれど……。」


 出久さんはぶつぶつと独り言を言うことが多い。自分の世界に入っているみたいだ。聞いているとハッてやってしまった。という顔で私の方へ振り返った。


「ごご、ごめんね!!また自分の世界に……!」
「別に良いですよ、悪い気持ちにはなりません。」
「お世辞ありがとう……。」


 口を手で覆い、ため息を付く出久さん。……悪いことではないから深刻に考えなくてもいいと思いますけれどね。
ごほん。と咳払いをし、「そうだ。」と明るく声を出した。



「昼、大丈夫だった?セキュリティー3が突破されたって……。」
「大丈夫ですよ。走っていた人にぶつかって尻餅付いてしまいましたが、爆豪さんが手を貸してくれました。」
「え、ちょ、嘘だろ、かっちゃんが!!??」


 かっちゃん?爆豪さんのことでしょうか?
結構アワアワしている出久さんだけれど、それほど珍しいことだろうか。
道を歩いていると自転車がきたので、また何かを言っている出久さんの腕を引っ張り自転車にぶつからない様に私の方へ寄せた。



「わっ!!!ごめんね、植村さん!」
「大丈夫ですよ、出久さんはぶつかりませんでしたか?」
「おかげさまで!!」


 腕を離すと後ろから引っ張られて誰かとぶつかってしまった。後ろを振り向くと見覚えのある赤い瞳に、跳ね上がっている淡い金髪。


「んで、無表情女がいるんだよ!」
「爆豪さん……?」


何故か爆豪さんが後ろにいた。どうしたのだろうか?
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