第3章 可哀想な瞳。
「……真っ赤っか。」
「あぁ!?文句あんのか!?……てめぇ、無表情女じゃねぇか!」
思っている事が言葉に出てしまった。教室まで行こうとしたら、真っ赤な…なんだろうか食べ物があり声に出してしまった。その食べ物を食べているのは、爆豪さん。
私のことだろうか"無表情女"は。
「私のこと、知っているんですね。」
「あ?……たりめぇだ、同じクラスだからな。」
ヘッと何故か鼻で笑われて、その赤い食べ物を食べる。きっと辛いだよね、よく食べられるな。でも、食べているときに申し訳ない事をした気持ちになり軽く頭を下げておいた。
《セキュリティー3が突破されました。
生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください》
セキュリティー3?周りの人は急に慌て始めて、中には食堂から全力ダッシュする人も中にはちやほやいる。
立っていたので誰かと肩が当たって尻もちを付いてしまった。
「わ、ごめんなさい。きっと1年生だよね、早く逃げた方が良いよ。セキュリティー3って言うのは"校舎内"に誰かが不法侵入してきたことだから。本当にごめんね!」
「いえ。」
先輩だろうか、慌てて謝りながら走って食堂から出ていった。校舎内に誰かが不法侵入したって……雄英なんてセキュリティー万全だと思っていたけれど意外と脆いんだな。
座りこんでいると腕を掴まれ、立たせられた。
「んで、座りこんだままでいるんだよ!!」
「ありがとうございます、外の様子を見てきます。先に行っていてください。」
爆豪さんが私のことを立たせてくれたぽい。
さっきまでとは打って変わって周りには、あまり人が少なった。窓の方まで駆け足で行き、外の様子を見るとそこには多くのマスコミ?カメラを持った人が沢山いた。
もしかして、マスコミが校舎内に不法侵入したってこと?
「ほら、早く行くぞ!ボーとしてんな、無表情女ァ!」
「……はい。」
何故か爆豪さんに連れ出されて廊下まで行くとそれこそ、芋洗い状態。人が揉みくちゃになっていた。このままだと逃げるのも逃げられないんじゃ……。
「皆さん、大丈夫!!!」
上を見上げるとそこには、非常口と同じポーズをした飯田さんが壁に張り付いた。……教室の時も思っていたんだけど、凄いなよく判断できるものだ。そんな飯田さんに軽く拍手を送った。