第3章 可哀想な瞳。
「ホームルームの本題だ。急で悪いが今日は君らに……。」
「学級委員長を決めてもらう。」
百さん達と和解した後、その場にいた女子に声をかけに行った。皆さん、良い人だったので許してくれて私と"友達"という関係になり心が弾むような気持ちになる。
そんな私がしても良いのか。と思うほどの体験をしたあと、学級委員長を決めると相澤先生から話が出てきた。
凄くやりたがっている子が多い。ヒーロー科では、学級委員長はまとめられる力が付くのでやりたい人が多いだろう。
「すみれさんはやらないのですか?」
「やらないですね。」
百さんは手を上げながら私の方を見た、学級委員長はやりたくない。周囲をまとめる力なんてないし、指示された方が私はやりやすいので指示する側にはあまりいきたくない。本格的にやりたい方が多くなってきて周囲は、ジャングル状態。
「静粛にしたまえ!」
一喝入れる声が教室中に響き渡り、その声の方を見ると眼鏡の…えーと飯田さんが手を上げながら立っていた。
……あの状態で意見入れるなんて凄い人かもしれない。飯田さんが仕切り、くじ引きをすることにになった。
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「惜しかったですね、百さん。」
「悔しいですわ。」
出久さんと百さんが同票になり、じゃんけんで決まった結果、出久さんが委員長になった。出久さん委員長でも私的には別に良いんだけど、やっぱり百さんに票を入れたので凄く惜しい結果だ。
「でも、百さんはなんだか副委員長みたいですよ。」
「すみれさん……!」
「すみれ、それ褒めているの?」
格好いいって意味なんだけどな。響香さんがそう言ったので「褒めてますよ?」なんて言うと苦笑いされた。
今は、昼食の時間。百さんと響香さんで一緒に食堂までやってきた。私はお弁当なので、百さんと響香さんは注文するらしい。品を持ってきて、「いただきます。」と一緒に言い、お弁当袋を開いた。
「すみません、お箸鞄の中に忘れてしまったので取りに行ってきます。先に食べていてください。」
「ん、了解。」
お箸がなかった。朝、急いでいて鞄の中に入れたことをすっかり忘れていて気分が落ち込んだ。
立ち上がり、教室まで駆け足で行った。