第12章 S&N 2
何もかもうまくいっていると思っていた
俺は、平和な日々は2度と戻らないんだと思い知ることになる
2人で少し足を伸ばして買い物に行った時のこと
少し俺がトイレに離れた時だった
「あれ?和也じゃん?」
「え……?」
「まさか忘れた?ひどくね~?あんなに愛し合ったじゃん(笑)」
「……ごめんなさい、俺、事故で記憶が……」
「なにそれ。いいよそういう言い訳(笑)。それよりまたヤんない?今からどう?」
「いや本当に分からなくて。どういう関係でした?」
「お前が買ってくれないかって言ってきたんだぜ?あんなに乱れたのに覚えてないの?」
「おい、何してんだよ」
「あれ~?新しい男?やっぱり体は覚えてんじゃん(笑)。こんなヤツより、俺の方が気持ちよくしてやれるよ?」
「俺のもんに触るな!」
俺と別れた後、自棄になって抱かれていた男の1人らしい
その場を離れてからも家に帰ってからも和は固い表情で何かを考えこんでいた
「ねぇ……俺さ、何かあったの?」
「何が?」
「あの人が言ってたこと……」
「何もないよ。あいつの勘違いだろ」
「でも……」
「お前は俺と付き合っていたんだから」
「そうだよね……」
それが起こったのはまもなくだった
突然和が気を失って倒れた
慌てて医務室に運んで、しばらくして目を覚ました和は全部思い出していた