第8章 S&N
「かず!?どうしたの?」
「会いたくなって来ちゃった(笑)」
翔さんの働いている会社は知ってたけど、来たのは初めて
「嬉しいけど……なんかあったでしょ?そうじゃなきゃここまで来ないよね」
「……なんもないよ」
「嘘。なんかあったって顔に書いてあるよ」
「……」
やっぱり別れるなんてできないよ
こんなに好きなんだから
でも……
「か~ず、言ってみ?何があったの?」
親父が来て、別れろと言われたことを伝えた
「ね、別れよう?最後にもう1度だけ抱いて?」
「嫌だよ、別れたくない」
「俺だって別れたくないよ。でも親父は何するか分からない、翔さんが殺されちゃうかもしれない」
「殺されたって良いよ、お前なしでは生きられない」
「ダメだよ、死ぬのは俺1人で十分」
「何て言った……?」
「俺は今夜死ぬから」