第8章 S&N
「やめろ!お前が死ぬなら俺も死ぬ」
「何言ってるの……俺の分も生きて、幸せになってくれなきゃ」
「お前がいない世界で幸せになれるわけがないだろ」
近くのホテルに入り、お互いを貪り合った
息をする間も惜しんで唇を重ね舌を絡める
何度も何度も上り詰めて出すものがなくなっても体を繋げた
このまま溶け合ってしまえたらいいのに……
「……本当に良いの?」
「お前とならどこへでもいくよ」
近くに建っていたビルの屋上
月明かりの中見つめ合う
どちらからともなく唇を重ねた
ゆっくりじっくり相手を感じるように
柵を越え、きつく抱き合った
「また、会えるよね」
「絶対探し出すよ」
来世は結ばれることを信じて
飛び降りた
End