第8章 S&N
「お前、『さくら』の息子と何してるんだ!」
ある日店の開店準備をしていたら、親父が怒鳴りこんできた
どうやら親父の知りあいが、俺たちが一緒にいるところを見かけて告げ口したらしい
「ライバル店の息子だぞ!敵と仲良くするやつがあるか!しかも恋人同士に見えたらしいじゃないか!お前は家柄の良い女と結婚して後を継ぐんだ!もう二度と会うなよ、わかったな!」
「勝手に決めんなよ!俺は敵とか関係なく翔さんが好きなんだ、絶対別れないから!」
「俺は『さくら』を勝たせるためにお前に店を譲ったんじゃない!」
「なんで、うちが負けるって決まるんだよ!それに勝ち負けなんて俺はどうでもいいんだよ!」
「ふざけるな!とにかくあそこの息子とは別れろ!それまでうちにも店にも帰って来るな!」
翔さんと別れることはできない
別れるくらいなら……
死んでやる