• テキストサイズ

【短編集】【HQ】純情セレナーデ

第4章 アンバランスな雌豹(山口忠)


彼女の顔は真剣そのものだった。
勿論、嫌じゃない。
そういう対象として見てもらえるのは凄く嬉しい。
でも、でも、そうじゃなくて。
そういうんだけの関係じゃなくて。
「は……俺の身体しか興味ないの?」
「…っ!」
彼女の顔がはっとする。
綺麗な顔が、綺麗に驚く。
(あれ?つーか、これじゃ男女逆…)
俺は無言のまま、の返事を待った。
「だって…、彼女って、そういうものでしょ?
気分次第で欲を満たすためだけでいいんでしょ?」
「な、何言ってるの?」
「私は山口くんが好き。
でも邪魔するつもりもない。
月島くんといる時の方が楽しいでしょ?
女の子と買い物なんて、楽しくないでしょ?」
「いやいやいやいや!」
あまりにも偏見の多すぎるその物の考え方に驚いた。
「元彼に、そう言われたの。
お前の愛情重すぎって。
美人が抱けるって喜んだのは一瞬だって」
「な、なにそれ!?」
「山口くんの邪魔はしたくないから、だから…」
「確かに、最初はちょっと戸惑ったけど…
俺、のこと、真面目に好きだよ…」
真面目にって言い方、変だけど、他に上手い表現が見つからない。
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp