第4章 アンバランスな雌豹(山口忠)
当日、いつもよりヒラヒラした服でが待ち合わせ場所にいた。
普段はもっと、クールというか、カッコいい系を着ているから意外だった。
「お待たせ、ごめん」
「……別に、いい」
少し恥ずかしそうにする。
「今日の、凄い可愛いね」
目を反らされて、 カーディガンを寄せられる。
見ないで、とでも言いたげだ。
(やっば……)
俺の彼女、世界一可愛いんでない?
と素で思った。
こんな可愛い娘とほぼ毎日色々出来ているのかと思うと、幸せだとも思った。
付き合って結構たつけれど、俺は彼女の事をあまり知らない。
今日はたくさん話して、もっと知ろう。
順番は逆だけど、俺達なりでいいんじゃないかと思った。
「は、そういう服の方が好きなの?」
「……悪い?」
「全然!そっちのがいいと思う。
普段もカッコ良くて好きだけど」
「……ありがとう…」
「美人だから何着ても似合うよねー。
サマになるし」
「……ありがとう…」
こんな美人でも、褒められ慣れってしてないんだ。
大発見だった。
『何回も聞いてる』
とか言われるかと思った。
なんだか嬉しくなる。
「今日、無計画で来ちゃったけど、あとどっか寄りたい?」
オススメデートスポット、というわけではないが、学校で使うもの見たり、ゲーセンで遊んだりして、なんだかんだ夕方だった。
「……山口くん、ホテル、行こう」
「は?」
「……」