第4章 アンバランスな雌豹(山口忠)
「綺麗だし可愛いし、たまに天然だし、エロい顔も、全部」
はその端正な顔を真っ赤にした。
「我が儘言われても、怒られても、嫌な顔されても、その…触るの禁止にされても、俺はを邪魔だなんて思わないよ」
こっちも恥ずかしくなってくる。
もっと、上手くカッコよく言えないもんかな…。
でも、必死だった。
そういう真っ直ぐな付き合い方もあるんだって、証明したかった。
「……また、普通に、デートしてくれる?」
そのあまりにも冷たい印象の顔は、うってかわって、涙目で震える少女の顔だった。
「勿論」
俺達はその時、初めて手を繋いだ。
順番は違ったけれど、少しずつ間を埋めていこうと、この不器用で可愛い女の子を生涯大切にしようと、そう誓った。
「山口くん、彼女と別れたかね」
「君はこっち側の人間だろう」
「や、付き合ってますよ」
「先輩たち、山口は、童貞じゃないですよ」
「!!????」