第4章 アンバランスな雌豹(山口忠)
の恋愛観は、かなり変わっていて……。
付き合って数日だというのに肉体関係を持たされた。
初めてだったし、全くどうしたらいいかわからないまま、彼女の先導を受けた。
映像や本で見る知識は驚くほど役には立たず、1人でするより遥かに難しく、最初の方は気持ちいいとかそんなこと考える余裕すらなかった。
何回か身体を重ねて、やっと、俺はが好きだと自覚が出来た。
それは洗練された見た目だったり、それとは不釣り合いな中身のアンバランスさだったり、求めてくる時の綺麗すぎる指先だったり、兎に角一瞬一瞬が大切に思えた。
腑に落ちなかった告白も、やっと嬉しいと思えた。
「、かわいいよ…」
「…っ、すき…!」
「この後どっか行く?」
「別に、いい」
彼女は着替えながら、いつもの冷ややかさでそう言った。
いつも不思議に思っていたが、は、俺と会っても特にデートらしいデートをしてくれるわけではなく、事が終わるとすぐに離れていった。
最初はこんなものかと思っていたけれど、段々を好きになっていくにつれて、モヤモヤとしたものに変わっていった。