第4章 アンバランスな雌豹(山口忠)
は同じクラスで、そこで初めて知り合った。
第一印象は、美人だけど怖そう。
他人に壁があるというか。
でも、どことなく、それはいつも一緒にいる幼馴染みに似ていて、話し掛けやすかった。
切っ掛けは思い出せないけど、いつも1人だった彼女に声を掛けた。
3人でつるむようになって、やがて、から勝手に来てくれるようになった。
きっと二人がお似合いのカップルになって、写真投稿や動画投稿するようになって、話題の中心になって、俺は誇れる美男美女を間近で見れる特等席を手に入れるんだと、全部勝手に妄想していた。
羨望の眼差しで見られるに違いないと。
そう思っていたが。
それは違う方面で、そうなった。
「やまぐちにかのじょ!!?」
「ま、敗けた!!!」
2年の先輩たちが頭を抱えて項垂れた。
「彼女、なのかな。
俺はまだ好きかどうかすらわからなくて」
「、アイツお前にベタぼれじゃん。
正直ウザいくらい」
「ウザいくらい!!!」
「ベタぼれ!されたい!!」
「俺は…ツッキーとくっついて欲しかったんだけど…」
「いらない、迷惑」
そんな風に言われてしまうのすら、少し可哀想に思えてしまった。
それくらい、俺のなかでは勝手に二人が出来上がっていた。
邪魔者は自分だとすら思っていた。