第8章 四獣のさだめ
翌日、セチャンが決めた最初の捜索班は元へと繰り出した。白虎にも四獣特有の特徴があるらしく、それをもとに探せばすぐに見つかるだろうと思っていた。なぜなら白虎は若いときも白い髪だからだそうだ。それも老いて白くなった髪とは全く違うらしい。
太陽の光を受けて色が変わり、艶やかなのだそうだ。朝から昼は太陽の黄色い色を薄く帯びる。そして夕日によってより色の濃い蜂蜜色や茜色にかわるのだ。
その美しさから、元では白虎のことを神から祝福を賜ったものなのだと言われていたらしい。
しかし、元から帰ってきた捜索班は意気消沈していた。
「そんなに落ち込むことはない。見つからなかったからと言って、元の全員を訪ねたわけではないだろう?おいおい見つかるさ。」
といなかったと報告した部下にセチャンはそう慰めた。どうも落ち込み方が激しく、セチャンは少し疑問だった。希望を持て、しゃきっとしろと叱咤した方が良かったのだろうか。
「そうなのですが…。実は一人の元の者が彼は死んだと思う、と言ったのです…。」
そう告げた部下はセチャンやリョンヘを落胆させると思ったからか、緊張した面持ちで口を結んだ。
「死んだと思う、という推定の話になっているが、それはなぜなんだ?」
リョンヘは優しく声をかけた。部下が驚いた表情になるのを、セチャンは気づく。どうもこの王子は表向き真面目で堅い所がある。そのため入隊して数年の兵士ではリョンヘが失敗には厳しい人だと思う人もほんの一部だが、無いわけではないのだ。