第4章 孟の地
孟の城は見た目は華美ではないが、堀や城壁がしっかりしていて、これから先仮に戦うことになっても、ある程度は乗り越えられるように見受けられた。
城にはやはり衛兵がいて、ハヨン一行を改めてから門を開けた。
「やはり入り口の二人は注意しなければならんな」
と共にいた兵の一人が呟く。どうやら孟の門の方にいた衛兵たちは彼の部下らしい。城の衛兵と比べても少し無用心だったからだろう。
もしかすると裏切りや、味方のふりをして近づいてくる城のものがいるかもしれない。そのときのことを考えると、ハヨン達の顔を見ただけで通した二人はあまり適切ではなかった。
リョンヘと共に逃げたものは主に白虎、朱雀、青龍の隊の者が多い。基本城の入り口を守るのは玄武だったので、あまり衛兵としての知識がないのかも知れない。
(今までは自分の隊の知識だけで良かったけれど、これからは皆がすべての兵の役をしなければならない…。学ばないとな…)
ハヨンはこの少ない数で郡一つを守りきり、さらに城への帰還を目指す難しさに少し途方にくれた。