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ニライカナイで会いましょう【テニプリ/木手】

第11章 終わりよければすべて良し



昼のミーティングの時間になっても、比嘉の子達は姿を見せなかった。
それどころか、彩夏ちゃんの姿も見当たらなかった。
つぐみちゃんに確認するも、所在について心当たりはないという。

「…さ、探そう、手分けして。嫌な予感がする」

思い切ってそう提案すると、皆快く承諾してくれた。
彼らに対して不満を持っている人間は少なくはなかったが、緊急事態だということで協力してくれることにしてくれたようだ。

山側の子達にも事情を説明して、捜索に加わってもらう。

彼らは身をひそめて一体どうするつもりなのだろう。
一切接触を断って、本当に彼らだけで生活を始めるとでも言うのだろうか?
一緒にいなくなってしまった彩夏ちゃんは木手くんを追いかけていったはずだ。
彼女ならきっとそうするに違いない。

木手くんのことを一身に思う彼女なら、今木手くんが一体何を考えているのか分かるんだろうな。
私にはもう彼の考えていることが、分からない。

近づいたと思えば離れて、かと思えばまた近づいて。

寄せては返す波のように、遠くなり近くなる彼の姿が目に浮かぶ。


「…波……海…もしかして…」


彼らがよく海を眺めていたことがふと脳裏によみがえる。
毎日欠かさず飽きずにじっと海を見つめている姿は、そこに沖縄の海を見ているのだと思っていた。
けれど今思えば、あれは――。

「海岸!海岸を探すようにみんなに言って!」

一緒に木手くん達を探していた鳳くんにそう言って私は一目散に海へ向かう。
これだけ探していても見つかっていないのだから、どこか人目のつかないようなところにいるはずだ。

私の頭に、木手くんが案内してくれたあの入り江が思い浮かんだ。
踏み出すごとに重くなる足を必死に振り上げ、息が苦しくなるのも髪が降り乱れるのも気にせず一心不乱に入り江へと走る。


小さな入り江にうごめく影が見えて、私はその勢いのまま入り江を囲む岩によじ登る。
砂浜まで足場を確保しながら降りるのがもどかしくて、よじのぼった岩場から砂浜を一直線に目指す。
思ったよりも高さがあって、着地に失敗して体は砂まみれになったけれど、構わず身を起こして砂を払うこともせず彼らに近づく。

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